やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7話(後半) 考察
やっはろー
今回も
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7話(後半)
の考察をしていきます。
以下多分にネタバレを含みます。
前回記事はコチラ👇
error-of-consideration.hatenablog.com
定番のカレー作り
カレー作りの最中にほのぼのしたやり取りが繰り広げられています。ロリエちゃんも登場しましたよ。
ここでも、留美はやっぱり孤立してる。それに対してやっぱり葉山は話しかけに行く。葉山は先の対応で小学生には人気者になっている。そんな人気者がハブられている子に接していると周りはよく思わない。むしろ反感を買い孤立を助長させることになる。
そんな思いも込めて雪ノ下はため息をついたのだろうと思う。そのため息の意図を察してか比企谷も共感している。
比
「同感だ。ぼっちに声をかけるときはあくまで秘密裏にひそかにやるべきだ。さらし者にならないように最大限の配慮をする必要がある」
「別に、カレーに興味ないし」
比
「いい答えだ。好意的に答えれば周りから調子乗ってると思われ、すげなく答えれば何様調子乗ってるとなる。この場は戦略的撤退しかない」
結局は調子乗っているってなるんですね。まぁ、ハブる側からすれば理由は何でもいいのでしょう。仲間内で同じ意見を持ち一人の標的を攻撃できればなんでもいい。そうやって周りと合わせることで少なくとも自分の安全は保障される。
それは過去の留美も同じだったようですね。現にこれまでも標的を変えながら誰かをハブっていた。それに留美も参加していた、ハブる側として。本人もそれを自覚しているから諦めているというか冷めているというか、希望は持ってないように見える。
そんなところに雪ノ下からの追い打ちがかかる。「中学に行っても期待するな」的なことを言われる。正論ですね。小学生にはキツかもしれない、いや確実にきつい。その言葉の後の留美の思いつめたような表情が何とも言えません。
料理中のシーンでは由比ヶ浜の料理センスのなさが際立つ一面も
葉山の「隠し味に入れるもの」の問いかけに小学生が盛り上がる中、由比ヶ浜が一番はしゃいでいました。桃入れたいんですって、ガハマさん。そりゃ比企谷にバカかと言われて当然。にしてもこの時の言い方もバカっぽさが際立っていてとっても良かったです。東山奈央先生!
事件は会議室で起きた
ラノベ版では食事シーンも、座席の陣取りから丁寧に書かれていました。その中でも気になったのが「麦芽ゼリー」です。めっちゃおいしいらしい。
比企谷曰く、日本の幸福度にかかわるレベルらしい。めっちゃ食べたいんだけど通販で売ってないんだよ。千葉県民と仲良くなろう♬
そしてもう一つの定番がこれ「味噌ぴー」
この二つが給食に出るのは千葉県民だけらしい。ちなみに、味噌ピーを家で食べるのは千葉県民の中でも三浦くらいらしい。少なくとも比企谷は食べない。
そして食後に留美の孤立問題をみんなで話し合っているのですが、ここでも葉山と雪ノ下、比企谷ではものの見方が違うようですね。三浦は薄っぺらい感想をのたまっておりました。悪気はないと思うんだよー。
三
「かわいそうだよねー」
比
(違う。問題の本質を理解していない。孤立すること、一人でいること自体は別にいいんだ。問題なのは悪意によって孤立させられていることだ。)
平
「それで、君たちはどうしたい」
葉
「俺は、可能な範囲でどうにかしてあげたいです」
雪
「可能な範囲で・・・ね。あなたでは無理よ。そうだったでしょ」
(中略)
雪
「彼女が助けを求めるならあらゆる手段を使って解決に努めます」
平
「で、助は求められているのかね」
雪
「・・・それは、わかりません」
由
「ゆきのん。あの子さ言いたくても言えないんじゃないかな。留美ちゃん言ってたじゃん。自分も同じことしてたって、だから自分だけ助けてもらうのは許せないんじゃないかな。みんなたぶんそう。話しかけたくっても、仲良くしたくってもそうできない環境ってあるんだよ」
相変わらず葉山にあたりの強い雪ノ下。さすがにこの時の雪ノ下の否定の言葉には葉山の顔もひきつってまし。
まずは、三浦の発言に対する比企谷のモノローグから。三浦は人と一緒にいることが楽しいし、そうでなければ寂しいと思っている。だから一人でいる留美を見て「かわいそう」だと思ってた。きっと多くの人がそう思うだろう。学校でも社会でも常に何かの集団に属している環境で育てば何ら不思議ではない。
しかし、そんな環境でもどこの集団にも属せなかった者の見方は違う。比企谷もそのひとりである。比企谷はみんなでいることが楽しいことだなんて思っていない。一人でいようがみんなでいようがさして問題ではない。しかし、そうなった経緯に他人の悪意があるということに関しては問題視している。ここでも、葉山たちと奉仕部では解決法が分かれるだろう。
そして次に、由比ヶ浜の発言。留美が助けを求めていない以上、動く理由がないと考える雪ノ下にたいして重々しい口調で語っていました。おそらく由比ヶ浜にも似たような経験があるはず。表情もどこか遠いところを見つめているようでした。このことに関しては雪ノ下も思うことがあったようで、7話の最後に指摘していました。
このあと話し合いが進んでいくのですが、三浦と戸部は相変わらずといった感じ。そこへ海老名さんが参戦。その時の意見は簡単に言うと「学校以外の環境に身を置いて居場所を作る」ということですね。
おそらく、これは現実の世界でも有効だと思う。子どもにとっては学校・家がすべてになってしまう。家庭環境が良いならまだ救いはあるかもしれないが、学校で孤立させられるとほとんど居場所を失う。自分を受け入れてもらえる環境がないということを自覚すると、存在を否定されているような気分にもなる。
そうならないようにするには解決法は2つ。
・特定の環境を作らない
・分の居場所となるかもしれない環境をたくさん作る。
たぶん2個目のほうが実行しやすそう。というか両方とも本質的には同じことを言っている。習い事でもいいし、一人でできる趣味でもいい、塾でも、最近ならネットでもいい。ただ、ネットの使い方には注意しないとね。そうやって居場所を増やしていけばいい。
何なら学校でも同じようにすればいい。最初と最後だけ特定のクラスに集合して連絡などを済ませてから、各々授業に行く。学年に関係なく習熟度によってクラス分けをすることで、クラスという閉鎖した空間を瓦解することができる。
同級生と同じクラスで勉強できないことで問題があるかもしれないが、それなら習熟度を判断するテストを難しくすればいい。上のクラスに行くことがすごいこと、努力したからなしえたことという認識にもっていけば、ひどくはならないような気がする。周りが全員年下で自分だけ何個も上っていう状況になりにくいくらい難しくする。学力も鍛えられて一石二鳥的な?
また、中学校なら部活動も地域のクラブチームに任せればいい。強豪のチームから運動不足解消を目的としたものまで段階を分けて設置して、学校の垣根を越えてクラブ活動をすることで、そこが新たな居場所になりうるかもしれない。それに、学校の先生の負担も軽減されて地域の交流も少しは復活するだろう。でも最近は「地域の~」とかいうだけで敬遠されそうな気がするな。
そんな感じでいろいろ思ったりするのですが、管理が大変だったり、クラブチームの監督やコーチの給与、安全面などを考慮すると理想は理想ってなる。
とりあえず、こんな感じで海老名さんに共感できる部分はあるのです。もちろんホモの部分は断じて共感していません。まったくもって皆無です。
ここでも三浦が雪ノ下につっかかっていました。正確には葉山の意見を全否定する雪ノ下に三浦が牙をむいたことになります。雪ノ下にむかってはっきり嫌いって言ってました。
三
「周り見下したような態度とってっからハブられるんでしょ。誰かさんみたいに」
雪
「それはあなたたちの被害妄想よ。劣っているという自覚があるから見下されていると感じるだけではなくて」
三
「あんさー、そういうこと言ってっから・・・」
葉
「優美子。やめろ」
雪ノ下の言葉には耳が痛いですね。どこかで引け目を勝手に感じているから相手の態度が自分を見下しているように感じてしまうことってありますよね。でも雪ノ下からすれば、自分の能力向上を怠り人の態度に難癖をつけていると見えているのでしょう。1話で由比ヶ浜に言っていたように「自分の不器用さ無様さ愚かさの遠因を他人に求めている」ことになるのでしょうね。
それと、葉山が三浦を制止したのも気になりました。言葉にはそれなりに勢いがありました。葉山も雪ノ下にたいしては思うところがあるのでしょう。におわせってやつですね。違うか。
闇夜の雪ノ下
話し合いが終わり床に就いた後のシーン。比企谷と雪ノ下が話していますが、ここでは雪ノ下が熱心に留美を助けようとしている理由を考察できそうな要素がありましたね。
おそらくは、過去の自分と重ねているのではないかと思っています。そして、話し合いの時の雪ノ下の発言「あなたでは無理よ。そうだったでしょ」とは葉山に向けられたものですが、何か過去に共通する出来事があったのでしょう。それを引き合いに出しで言っているのだと思います。
葉山と雪ノ下は小学校が一緒ということを考えると、その2人に共通する出来事とは、孤立した雪ノ下を助けようとする葉山という状況なのではないかと思います。
結局は雪ノ下が葉山に助けられることなく終わってしまったから「無理だった」と言っているのでしょう。葉山では留美の助けにならないから私が助けようと思っているのかもしれません。
それと、夜中に比企谷と話している雪ノ下の発言。これは比企谷に向けられたものというより独り言に近い感じですね。そのあとの比企谷の質問にも答えてないですし。
雪
「来られてよかったわ、無理だと思っていたから」
比
「お? なんで」
この真意については雪ノ下しかわからないでしょう。おそらくは家庭の事情が絡んでいるのだと思います。それを思わせるような発言もありました。
比
「お前葉山となんかあんの」
雪
「 小学校が同じなだけよ。それと親同士が知り合い。彼の父親がうちの会社の顧問弁護士をしているの」
比
「しかし、家ぐるみの付き合いってのも大変そうだな」
雪
「そうなのでしょうね」
比
「えらい他人事だな」
雪
「そういった外向きの場に出るのは姉の役割だから。私は代役でしかない」
この後に先ほどのセリフが続くのですが、家庭の事情が複雑であることがわかります。姉の代役でしかないとはどんな気分でしょうか。
代役が駆り出されるときはたぶん急なことが多い。それに加えて姉と同じレベルを要求されることになる上に姉と比較される。普通の姉妹なら何の問題もないのだろうけど、陽乃はすべてにおいて相当な実力の持ち主であることを考えると、常に比べられてきた雪ノ下の気持ちは居心地が悪いものだったでしょう。
姉と比べてどうかという基準で判断されるということは、姉がいなければ自分を評価するものがないということ。姉という基準がいるから自分が存在することになる。誰も自分だけを見て評価してくれる人がいない。そんな状況だったのではないかと思います。
ひとまず7話はこれで終わり
解決編の8話は次回
さようなら
次回記事はコチラ👇
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