数学力向上委員会 数学ⅠA「逆・裏・対偶」
やっはろー
今回は命題の単元の最後になります。これまでの3回の内容さえ押さえれば、おそらく命題に関する知識はクリアです。あとは練習あるのみ。
それでは、参りましょう。
「命題の逆・裏・対偶」
動画
カミングスーン!
まずは準備
第一歩として「否定」を覚えましょう。
方法は簡単です。「=」なら「≠(ノットイコール)」に
不等号なら逆向きにするのです。
もちろん、機械的にしなくても意味を考えても同じです。
例えば画像の上の問題なら、
「xが2です」を否定すると「xは2ではない」になります。
下の問題も、「3より大きい数」を否定すると「3以下の数」になります。
このような数直線で考えるとわかりやすかもしれませんね。今度問題を解くと気には画像のような数直線をかけるようにしておきましょう。
命題の裏
命題の裏といられるものは、このように「⇒」の前後をそれぞれ否定すれば完成です。この命題は単純ですが、否定を作るものがややこしいものもあるので多くの問題に触れてください。
否定のときのポイントは
「または」を否定すると「かつ」
逆もまた然り。
命題の逆
一方、命題の逆はサルでもわかるくらい簡単。「⇒」の前後を入れ替えると終了です。数学というより作業感がぬぐえません。(笑)
いよいよ本題
逆と裏はすでに紹介したので残るは対偶のみですが、これも実は単純です。すでに9割がた終わってます。
対偶=逆+裏
と覚えておきましょう。つまり、命題の対偶を考えたいときは、その命題の逆を作ってそれを裏にするとできるわけです。
もちろん、先に裏を考えてから逆にしてもちゃんと対偶になります。
では、なぜこんなことを考えるのかというと
これにつきます。
元の命題が真ならその対偶も真になるので、問題を解くときは楽な方で考えることができるんですね。
練習してみよう
今回はこの問題を対偶を使って真偽の判定をしていきましょう。でも、ただやみくもに対偶にすればいいのではなく、対偶を考えたほうがいい場合があります。
このときは対偶を考えたほうがいいんですね。
「または」というのは、両方とも成り立つときもあれば片方だけ成り立つときもあるよということなので、考える範囲が非常に広いんです。
だから、簡単に考えるために対偶をとって「または」を「かつ」に変えます。
このように、裏を考えてから逆にすることで対偶の完成です。練習のために逆を考えてから裏にするという方法でも対偶を作ってみましょう。同じになれば正解です。
この問題の「x、y>0」というのは前提条件なのでこの部分は放置で構いません。考えるべきは命題の部分です。
言うなれば、「好きな食べ物なんですか?」って聞かれたときにイモムシとかカブトムシとかが頭によぎることないですよね? もちろん絶対とは言いません。(笑) でもほとんどの人が一般的な料理から考えるはずですよね。
前提条件とは、物事を考える枠組みみたいなものだと思ってもらってOKです。
では、真偽の判定に入りましょう。
対偶を考えたおかげで、「または」が「かつ」になりました。ということは、「少なくとも一方成り立つ」という緩い条件ではなくて、「両方とも絶対成り立つ」という厳しい条件になったので考える範囲が狭くなりました。
画像のように、仮にxもyも√3だったらと考えると、それぞれの2乗の和は6になります。ですが、実際は、xもyも√3未満なのです。
ここで注意すべきは2乗の和を考えているので、xとyが負の数の値をとるときでも正になってしまいますが、今回は両方とも正の数であるという前提があるので心配なさそうです。
以上がこの問題の答えになります。
まとめ
逆・裏・対偶は理解いただけましたか?
一見難しそうに見えるかもしれませんが、逆は前後を入れ替えるだけです。裏は数学の知識や図を使うことがありますが、そこまでできれば対偶はできたも同然ですね。
対偶=逆+裏
これができたら、命題の真偽の判定に戻ります。やっぱり大事なのは真偽の判定なんですね。
さようなら。