夫婦の家事問題を総括 どちらに軍配が上がる?以外に難しい結末だったりもする。
夫派と妻派の意見を考察していきましたが、少々妻には難しいことを要求してしまった感じがします。詳しい内容は以下をご覧ください。
error-of-consideration.hatenablog.com
error-of-consideration.hatenablog.com
そして、今回はそんな夫婦の家事問題を最終回をお届けします。
「お手伝い」を撲滅せよ
夫婦の家事問題の構図としてよくあげられるのが
・夫が家事を手伝わない
・基本的に妻が家事をしている
というものですね。
最終回で問題提示したいのは、そもそものこの構図です。妻が基本的に家事をして夫がお手伝いという構図が家事問題の根本原因なのです。
第一の理由は「自分のことは自分でやれ」です。これは特に家事をしない夫に向けた言葉ですね。
結婚は家政婦になるという終身契約ではありません。一人で暮らしているときと同様に自分の物はしっかりと自分で管理すべきなのです。
ただ、注意点があります。自分で管理するからと言ってマイルールのみに従っていればいいのではないということです。
結婚して共同体になった以上、相手の意見も尊重すべきです。最低限の生活空間を確保しないといけないのに、フィギュアコレクションを所狭しと並べていては離婚まで秒読を覚悟することになりかねません。
2人で生活しているのなら2人で話し合って、折衷案をとっていくほかありません。お互いに譲歩できるところとできないところを紙に書きだして、明確にルールとして決めておきましょう。
もし、その話し合いにすら応じてもらえないなら、・・・離婚までコンマ何秒前なんでしょうね。(笑)
第二の理由は「相手の意見を聞け」です。これは特に家事を”手伝う”夫という意識を持っている妻たちへの言葉ですね。
お手伝いという意識が夫にもそして、妻にもあるから家事に対して不満が生まれるのです。
想像してみてください、自分がやっている作業を「手伝いに来た」人はどんな態度でどんな行動でしょうか?
基本的に指示待ちであり、こちらが指示した内容をこなす役割を担っているはずです。逆に、手伝いに来たのにこちらの支持に従うどころか、現場監督並みの大立ち回りをされると困るはずです。それにちょっとイラっとしませんか?
このような感覚が妻にも沸き起こっているのでしょう。
つまり、夫は家事を主体的にするものではなくて、私(妻)を手伝う存在だから、私(妻)の意見を聞いて当然、言う通りにやらないとは何事だ! ってなるんですよ。
こうなってしまう原因はやっぱり「お手伝い感覚」にあります。
第一の理由でも書きましたが、家事をするときも二人で話し合って最低限守るべきルールを決める必要があるのです。
善意と義務
ルールを決めようとは書きましたが、決めるだけでうまくいけば言うことなしですね。現実はそう甘くはないんです。
もっと根本的な意識を変えていかないと行動には移せませんよね。
たとえば、ルールを決めたとき
・ルールを守らなければならない
と考えてしまうでしょうか?
それとも
・二人で決めたルールだから守りたい
と考えるでしょうか?
何となくでも後者の方がいい気がしますね。私も後者を支持します。
理由は、善意と義務にあります。
人間は誰しも善意でやっているときは気分がいいものですが、いくら善意で始めた行動でも義務感が漂い始めると一気にやる気がなくなるものです。
ドラゴン桜のシーンを思い出してください。
知らない人は見てください。(ウソです)
このドラマで善意と義務のいい例が出ていました。
簡単に説明すると
東大合格を目指すために集められた6人の生徒たち。
ただし、偏差値は38。
数々の苦難を乗り越えていくのですが、その困難の一つに一人の生徒の家業をほかの生徒たちで手伝う話がありました。
最初はノリノリで手伝っていた生徒たちですが、手伝いのシフトを決めてローテンションしているうちに疲労がたまって、だんだんと嫌になってきていたんですね。
これがまさに善意が義務に語った瞬間です。
この話の結末が気になる方はDVDをご覧ください。
もしかしたら、あなたにもこんな経験あるかもしれないですね。
つまり、何が言いたいのかと言うと、
2人で決めたこを守るのと同じくらい善意の行動も大事だということです。
いくつかの決め事に加えて「困っていたら相手を助ける」という善意の行動をとるように心がけるのはいかがでしょうか? やらないといけないことと言う意識より、相手のために行動しようと考える方が原動力になりませんかね?
自分がしたことばかりに目が行ってしまいがちですが、見えていないところで相手がいろいろと段取りをしてくれているかもしれません。そういったことにも注意を払いながら生活していた方がより充実しそうじゃないですか?
あなたは
どちらを選びますか?
名言
この章のまとめとして、ホンマでっかTVに出演している池田先生の明言を紹介しましょう。
「男と女は対等であって対象じゃない」
何とも深いお言葉ですね。
これを聞いたとき、男が家事をしないなら女が家事をするみたいに、短絡的なものではなくてあくまでも対等な関係ということを肝に銘じておこうと思った瞬間でした。
社会科学の視点
社会科学と言うのはご存じでしょうか? あまりなじみのない言葉かもしれないですね。この社会科学の本の中に家事問題を解決するヒントがありました。
「影響力の武器 第3版」
この本は結構有名ですよね。
人がどのように外部からの影響を受けるのかを科学的に分析した本になります。分厚い本ですが、難しい言葉はなく読みやすいですね。
最も共感したのは「一貫性とコミットメント」の部分です。
ですが、今回はそこではなく「社会的証明」のところを取り上げましょう。
この「社会的証明」を簡単に言うと
人は多いほうに流されるということです。
「みんながこうしているよ」って言われると従ってしまうとか、商品レビューが高評価という理由だけで購入を決めるのもこれにあたります。
つまり、テレビや新聞、ネットなどで「夫も家事を手伝いましょう」なんて煽ればあおるほど、「多くの夫は家事をしていない」と言うことを広めていることに変わりません。
だから、みんな(家事をしない夫)に合わせてしなくなるというデフレスパイラルになるわけなんです。
そして、「社会的証明」にはもう一つ大事な要素があります。
それは、不確実性が高いときにみんなに合わせるというものです。
例えば、家にいて外から悲鳴が聞こえたらすぐに警察へ通報しますか? と聞かれるとなかなかできないと思います。これは、その悲鳴が警察沙汰に値するものなのかわからないという要素や、ほかの人が連絡しているだろうという要素があるために警察へ連絡するのを躊躇してしまうのです。これらの要素が不確実性を持っているということです。
これを家事問題に当てはめると、普段から家事をしていない夫の皆さんは、いざ家事をするってなっても何をどうしていいか分からないのです。
つまり、不確実性が高くなり、めでたく家事をしない夫の仲間入りを果たすわけです。妻からすればまたったくもってめでたくないですね。
このまま続けていると、緑色の役所行き片道切符が出てくるかもしれません。(笑)
ここでも、対等な関係を保ったまま明確な水準を決めることが必要なのかもしれません。特に家事をしてこなかった夫に対しては、妻が満足する水準を提示してみてはいかがでしょうか?
まとめ
以上のことをまとめると。
お手伝い感覚を捨てて当事者意識を持つということが一番の近道です。そのためには話し合いは不可欠でしょうし、相手のことを考えて時には譲歩することも必要でしょう。
あくまでも、対等と言う意識をもって接すること。
しかし、そこまでできる人ばかりではありません。
そういう時は、社会的証明のせいにして
世間や社会が悪いという方向で行きましょう。(笑)
と言うのは冗談として。
よその家庭がどうのこうの言う前に自分の行動を考えて相手に集中することが一番大切なんだと思います。夫婦二人の生活なんだから、世間体よりその空間で満足できるかどうかを第一に考えないと崩壊してしまうかもしれません。
最近は、別々の道を歩むという道も選びやすくなっているでしょうが、まだまだハードルが高いことには変わりありません。
時には感情的になって怒ってしまうこともあるかもしれませんが、そんな自分を俯瞰してみることで分かってくることもあるのです。なぜ怒りの感情が出てきたのかという元をたどってみると、「してほしいことがあったのにしてくれていない」とか「寂しかっただけなのに」とか「話したかっただけなのに」というものなのではないでしょうか?
怒りの寝っこに目を向けることで冷静になり、改めて相手に原因を落ち着いて伝えることができるかもしれません。
また、相手が怒っているときも何が原因になったのかを考えることで、問題解決につながるでしょう。
そうやって、自分の思いを伝えられるような関係を二人で作っていくことが家事問題解決への第一歩なのではないでしょうか。
それでは、
さようなら。
P.S.
なんだかんだで感情の話になってしまいましたが、自分の感情を知ることは重要ですよね。