数学力向上委員会 数学ⅠA「命題の真偽」
なにげに、このトップ画像を気に入っております。そんなことは置いといて、今回もまじめに数学の話です。
高校数学でも難関の「命題」の単元です。中学まででは考えなかった言葉の問題が山積みで苦手な人も多い命題ですが、わからないと思っているだけで知らないだけだったりするんですよね。
それでは「命題の真偽」スタートです。
新しいほうへGO!
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命題とは
まずは、命題というのがどんなものなのかを説明していきましょう。ちょっと子どもっぽいですがこんな例はいかがでしょう?
この文は正しいでしょうか?
犬はもちろん哺乳類なので正しいですよ。出だしから間違えた人いますかね。ひっかけとかではないですからね。
ならお次は
これは・・・正しくないですよね。
犬が哺乳類なのは間違いないですが、哺乳類が犬って書いてしまうと人間とか猫とかどうなんだ! ってなりますよね。だからこの文章は間違いです。
もし、この例がピンと来なくても後半で命題の真偽の背景を説明するのでご安心ください。
ここから徐々に数学の話に入っていきますよ。
数学は記号の学問なので「ならば」を「⇒」と書くんですね。世界中で伝わるように言葉ではなく記号で書くことが多いですね。
そして、先ほどの文が正しいとか間違っているとか判定しましたが、これも長ったらしいので、「真or偽」と書きます。ここまでは書き方の話なので数学のルールですね。分かるとか分からないというより知っているか知らないかの問題です。
では、本題です。
命題がどういうものなのかわかりましたか? 数学で命題といわれるものは必ず真偽の判断がつくもののことを言います。
大きい数とか小さい数とか怖いものといえば? みたいな個人の感想で答えが変わるようなものは扱いません。
練習してみよう
解答も一緒に書いてあるのでゆっくりスクロールしてください
以上の3問はいかがだったでしょうか?
忘れてはいけないことは、この命題が「偽」であると判断したら必ず「反例」をあげることです。
偽ということはその命題が成り立たないということなので、どういうときに成り立たないのかという理由を示す必要があります。
つまり、
反例=成り立たない根拠
これがないとテストでも〇がもらえないので注意しましょう。
真偽判定の背景
ここからはもう少し突っ込んだ話をしましょう。これまでやってきた命題の真偽の判定は直感的にわかりやすいものを扱ってきましたが、実は「集合の大小関係」という背景があったのです。
画像のように「犬という集合」は「哺乳類という集合」に含まれています。つまり、「犬集合」は「哺乳類集合」の部分集合ということです。
命題の矢印の前後で見て、集合の大小関係が「小さいものから大きいもの」に矢印が向かっている場合は真になります。
この世のすべての犬からどんな犬をとってきても、例えばゴールデンレトリバーでも101匹わんちゃんでも3丁目の加藤さんとこのポチでも、みんな哺乳類に入っています。
うちのは犬なんだけど卵産むんだよね~って人がいたらぜひ教えてください。
このような大小関係ならすべての犬は抜けもれなく哺乳類に入っているので、この命題が真であるということになります。
もちろん、生きている犬の話です(笑)
練習してみよう
この考え方は少し難しいかもしれません。グラフを書いて考えていますが、ab-平面上に書かれている直線は無数の点の集合になります。
一方「a=b=0」というのは原点の1点のみを表しているので、集合としては直線のほうが大きくなります。
だから、この命題は偽になります。
このようにグラフに置き換えて考えることもあるんですね。
0を含んでいるほうが大きい集合なので真になります。
まとめ
命題の真偽判定のコツはつかめたでしょうか?
まずは、命題とはどういったものなのかを「知る」こと。そして、真偽の判定には「集合」を使うことを意識してみてください。
さようなら。