やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 2話(後半) 考察
やっはろー
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」2期2話(後半)
の考察をしていきます。
以下多分にネタバレを含みます。
解せない行動
川辺で葉山と比企谷が会話をしているシーンです。比企谷が話しかけても葉山は視線を向けません。コンビニでの三浦と同じじゃないか。こんなところでシンクロしなくても。。。
葉
「・・・俺は今が気に入ってるんだよ 。(略)だから、」
比
「・・・それで壊れるくらいなら、もともとその程度のものなんじゃねぇの」
葉
「そうかもしれない。・・・失ったものは戻らない」
比
「そんな上っ面の関係で楽しくやろうってほうがおかしい」
葉
「そうかな・・・。俺は、これが上っ面だなんて思ってない。今の俺にとってはこの環境がすべてだよ」
比
「いや、上っ面だろ。じゃあ戸部はどうなる」
葉
「(略:戸部を諦めさせようとしたこと。海老名さんが心を開くとは思えないこと)・・・それでも先のことはわからない。だから、あいつに結論を急いでほしくなかったんだ」
比
「勝手な言い分だな。それはお前の都合でしかない」
葉
「ならっ! 君はどうなんだ。君なら、どうする」
比
「俺の話なんてどうでもいいだろ・・・」
(略)俺の話なんて本当にどうでもいい話で、どうしようもない話だ。
「つまり、お前は何も変えたくないってことだな」
葉
「・・・ああ、そうだ」
「君にだけは、頼りたくなかったのにな・・・」
比
お互い様だよ、馬鹿野郎。
葉山が守ろうとしているものなんて俺にはわからない。わからないままでいい。だからできることがある。
このシーンをアニメで見たときはさっぱりわからなかったんですよね。読解力とか登場人物の心情を読む力とかその他もろもろが欠けていることを実感させられました。つらたん・・・。
でも、今はなんとなくわかります。
葉山の言う「失ったものは戻らない」とは雪ノ下との関係のことを言っているのでしょう。1期の林間学校から雪ノ下と葉山の関係に特別な過去があることは確実です。なので、雪ノ下との関係を失うという経験から来ているように感じました。
でも、比企谷からすると”失う”という結末を迎える関係が上っ面であり偽物であるということなのでしょうね。ほとんどの関係が”失う”という末路を迎える経験をしてきた比企谷だからこそ、新たな関係を築くことなく独でいることを自分に強いている。
おそらくは、関係が失われることで自分が傷つくのを防ぐため。結局は自己防衛。
一方の葉山は、過去に一度、大切な関係を失うという経験をしているからこそ、今度こそ失いたくないという思いがある。そこに戸部の告白というビッグイベントが来てしまったために、自分が今の関係を守るためにどうふるまっていいかわからずにいる。
戸部を止めてみたものの効果がなかったようなので、葉山としても手詰まりといったところですね。
そして、葉山が比企谷に対して「君はどうなんだ?」ときている部分。比企谷の何を聞きたいのかわかりずらいですが、おそらくは奉仕部のことを言っているのでしょう。
葉山が自分たちの関係を守りたいと思っているのと同じように、奉仕部の3人の関係も比企谷にとって守りたい関係じゃないのか、と問うているように聞こえました。
もちろん比企谷がそのような関係性を認めるとは思えません。だから、「俺の話はどうでもいい」と言っているのだと思いました。これまでの関係とは違うということは感じていてもそれを認めてしまうと、また傷つくリスクがあるから自分の話題は避けたのでしょう。ラノベではモノローグで「話したくない」とまで言っていました。
葉山と比企谷はこれまでの生い立ちから、考えは違いますが「変わらない」という選択肢は共通しているのですね。それに、幼いころに雪ノ下を救えなかった葉山だからこそ、自分ができなかったことを成し遂げた比企谷をどこか意識しているというか、嫉妬しているというか、特別な感情がありそうです。
比企谷にとっても、葉山の存在は特別なのでしょう。最後のセリフは「葉山の守ろうとしているもの」がわからないと言っているのであって「なぜ葉山が守りたいのか」という”動機”がわからないとは言っていない。きっと、理由は理解したけれど、葉山にとって守りたいもの(今の関係)を比企谷は持っていないからわからないということなのでしょうか。
似たような経験からでも導き出された行動は全く異なるものですね。
いざ決戦
ついに決戦の時です。何も知らない戸部は緊張でいっぱいいっぱいでしょうが、葉山と比企谷、海老名さんは心ここにあらずですね。
特に海老名さんの表情はすべてを察したようですね。このまま戸部の告白が実行されると断ることは決定している。となると、これまでの関係性が崩れてしまう。そこまで見越した諦観ともとれる表情です。
告白する側は自分の思いを伝えることで精いっぱいでしょうが、降るという選択肢しかない海老名さんもつらいものがあるのでしょう。
戸部のことが嫌いなわけではない、かといって好きというわけでもないけれど、自分は人付き合えないと考えているあたりは、自意識過剰の部類に入るのでしょうか。
この段階での要望は
- 戸部は海老名さんと付き合いたい。
- 海老名さんは告白を阻止してほしい。→告白が実行された段階で関係性が変わってしまうから。
- 葉山と三浦も関係性を保ちたい。
- 奉仕部としては戸部の依頼を優先すべき。→ただし、告白の結果までは関知しない。
といったところでしょうか。いやーややこしいですね。これらの事情を考慮して比企谷のとった行動は「戸部の前で海老名さんに告白すること」でしたね。
戸部の嵐山の竹林の小径での告白シーンは、葉山たち男子と雪ノ下と由比ヶ浜も見ていましたから、結構ハードル高いことですよね。その場にいた全員がびっくりしていました。ただし葉山を除いて。
ほかの男子二人は単純に驚いているだけですが、明らかに葉山だけ表情が違います。おそらく、葉山はこうなることを予想していたのでしょうね。すごいなエスパーかよ。アニメではこのカットは一瞬だったので見返して初めて気づきました。
一瞬の沈黙の後、海老名さんは比企谷の意図に気づいて、「今はだれとも付き合わない」と言っていました。これは比企谷ではく戸部に向けられたものなのでしょう。
さて、この段階では先ほどまとめた要望の2と3はクリアしていますが、1と4が残っています。でも、比企谷はちゃんと処理していたんですね。海老名さんが来る前のやり取りを見てみましょう。
比
「お前、フラれたらどうすんだ?」
(中略)
戸部
「・・・そりゃ、諦めらんないっしょ」
比
「・・・そうか、なら、最後の最後まで頑張れよ」
戸部や周囲は比企谷が応援しているように映ったのでしょうが実際は違いますね。比企谷が解決策として考えたのは「自分が告白する」というもの。でも、それでは要望1の戸部が海老名さんと付き合いたいというものは満たされていない。
だから、告白前にわざわざ確認を取って「最後の最後まで」と言っている。この”最後の最後”とはこの先の未来のこのを言っているのでしょう。「今回は確実に無理だけど、諦めるなよ」っていう意味なんでしょうね。諦めなければ可能性は残っていますしね。
それに、戸部の口からも「諦めない」って聞けたので、これで要望1もクリア。幸いなことに戸部からは”今すぐに付き合いたい”って言われてないですしね。すごい屁理屈だな。
そして、要望の4はというと、んー、これに関しては戸部が告白するところまで行くとすでに終わっている気がしてなりません。どれだけ頑張っても海老名さんにその気がなければ勝機はないですから、修学旅行中に頑張ったので良しとしておきましょう。(投げやり)
とまぁ、このように比企谷の偽装告白によって要望の1~4は処理できたのでした。めでたしめでたし。。。とはならないのがこの物語です。
事後処理のほうが大変なんですよね。
では、さようなら。